白色申告の記帳義務が拡張されます

2014-10-27

平成26年分の確定申告から、
事業所得、不動産所得、山林所得を生ずるすべての方が、記帳・帳簿保存の義務を負うことになりました。

今までは少額の所得の方には、必ずしも義務がなかったのですが、所得の大小に関わらず、
また白色申告の方でも、帳簿をつけなければなりませんので、事務負担は増えることになります。

振り返れば、戦後、国民主権を基調とする憲法が成立し、
民主行政主義と司法国家主義に変革した中で、税制でも、シャウプ勧告を契機に「申告納税制度」が確立しました。

当事務所の代表・梅林が、学生時代指導して頂いた 故 波多野弘教授は、
1983年税経通信38巻9号の「申告納税制度と記帳義務」の中で、次のように書かれています。

「・・・申告納税制度がその実効を保つためには、納税者が正確な帳簿と記録とを保有するということを前提としており、申告納税制度と帳簿・記録の作成・正確な記帳とは密接不可分といえるのである。青色申告制度は、戦後のわが国の特殊な状態の中から生まれた特別の制度であったはずである。昭和25年ごろの状態と現在とでは事情は非常に変わっているといっても差支えはないであろう。とすれば、・・・、納付すべき税額が納税者のする申告により確定することを原則とする申告納税方式を是認し、維持しようとする限り、記帳の内容に差等のある記帳義務を納税者に負わせることに、別段の異論を差しはさむ余地はもはやない、というべきではなかろうか。筆者としては、現今の「青色申告」と「白色申告」に対する基本的考え方(シャウプ勧告を基調とする)は、もはやその存在意義を失ったとすべきではないかと思うのである。」

30年以上前のお考えに感嘆です。先人のお考えが時を越え脈々と伝わっていくことを嬉しく思います。

 

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